第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
【何だか騒がしいわね…? ちょっと待ってなさい雫】
【うん、分かった】
お母さんが玄関用の扉に手をかけようとした瞬間
=バンッ!!=
勢いよく扉が開かれた
【…あら? どうしたの!!?】
転がるように入ってきたのは隣人の優しい男の人だった
体中から血が出ていて床に垂れ落ちる
【ひっ…!】
私は怖かった
【雫ちゃんは居るな…? 早く逃げるんだ…!!!!】
【どっどういう事!!? しっかりして!!】
優しい男の人は床に倒れてそのまま動かなくなった
【おっお母さん、お兄さんどうしちゃったの…? 動かなくーーー…!!?】
お母さんが私の手を掴んだ
【…逃げるわよ雫、走れるわね…?】
【どっどうしてお母さん…?】
【…炎上の民の兵が居るわ…】
お母さんが言う通り、外には赤髪の兵隊の姿…
【何がしたいかは知らないけど…、きっと狙いは雫よ】
私…? だからお兄さんは私が居る事を確認したの…?
【次はここだ】