第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
そんな消えそうな声で謝らないで…
そんな苦しそうな目で私を見ないで…
私は貴方をーーー…
ーー。
【…雫姉さん、悲しいの…?】
【え…?】
家に戻ると、三つ離れたまだ幼い弟の水奈(スイナ)が問いかけてきた
私の…、忘れてしまっていた弟…
【…どうしてそう思うの?】
【雫姉さんが悲しいと、僕も悲しく感じるの!】
何でだろう? そう言って不思議そうに首を傾げる水奈。 …きっと相手の感情に敏感なんだろう…
【…水奈、私は水底の民を裏切ったりしたら許されないかしら…?】
【う? 裏切るって何?】
【そうね…、お友達が約束を破るようなものよ…】
【約束破るのイケないよ! 雫姉さん!!】
…そうだよね。 当たり前の答え…
【…じゃあ水奈は仲間とお友達、どっちを取る…?】
【…どっちかじゃないと、ダメなの?】
その言葉で私はじわりっと瞳に涙が浮いた