第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
\父と姫/
「おっお待ち下さい姫!」
「そのようなお格好で司馬羅様の前には…!」
父親の部屋へと足を進める炎火を止めようとする使用人達。 炎火はそれでも止まらなかった
炎火「父さん!!」
炎火はバンッ!!と扉を思い切り開き、窓際に立っている父親・炎輪を見た
炎輪「おやおや…、まさか姫から会いに来てくれるとはね」
炎輪は炎火を見て嬉しそうに笑った
炎火「俺を姫と呼ぶな!!!!」
怒鳴り散らしながら炎火は炎輪の胸ぐらに掴みかかった
「しっ司馬羅様…!!?」
「姫様何を…!!?」
慌てて炎火を引き離そうとした使用人達を炎輪が片手を出して止めた
炎輪「…どうした姫? そんな怖い顔をして…」
炎火「知ってるんだぞ!!? お前が水底の民が住まう場所に兵をけしかけている事を!!」
炎輪の表情は何も変わらなかった
炎輪「だからどうしたんだい?」
炎火「だから…? 今後二度と、兵をけしかけるな!!!!」
炎輪「姫、どうして水底の民をかばう? あんなどうしようもない生き物を…」
炎火「同じ生き物だからだ!!!!」
睨む炎火を見て、炎輪はため息をついた
炎輪「姫は変わらないな」