第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
"あの子"…?
【もしや、姫がよく城を抜け出して会いに行っている水底の民の子供の事ですか?】
【そう、その子だよ。 姫ったらバレてないと思ってて可愛らしいよね】
城の俺の部屋の窓からよく見える場所で会ってるの丸見えなのに
【姫には世界の厳しさを少しは教えてあげないと…、ねぇ?
姫?】
ビクッと体が震えた
【立ち聞きなんて楽しい? 眠れないのかい?】
【しっ失礼しますわっ…!】
こっちへ来る足音が聞こえて俺は逃げた
だって…
父が怖く思えたからだ
バタンッ!と部屋に駆け込んで扉を閉めた
【…雫が…、私のオモチャに…?】