第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
【嫌だ!! どうして私がそんな女が着るような服をまとわなきゃならないの!!】
五歳くらいになって、俺は自分が"男"としての意識を持ち始めた
【可愛いというな!!!!】
【こんな物いらない!!】
【もっと男っぽい服がほしい!!】
今まで甘やかされていたせいか、俺のワガママは次第に激しくなった
命令を聞かぬ者は
【お前などついほーだ!!】
気に入らぬ物は
【こんな物などいらん!! 壊れてしまえ!!】
いつしか、俺の周りには人は居なくなってしまっていた
【姫様は随分変わられてしまいましたね…】
【昔は花のように愛らしい子であったのに…】
うるさい、うるさい
【まるでワガママの塊ね】
【あんなんでは近付くには命がいくつあっても足りない】
なら、俺の事は放っておけ!! 俺の言う事を聞かない奴なんて要らない!! 全部全部…
壊れてしまえ!!!!
耳を塞いでも、指の隙間から入ってくる聞きたくもない言葉…