• テキストサイズ

黒蝶組~ブラック.バタフライ~

第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結


\姫の逃亡悲劇/



※炎火視点

過去の話になります。





俺がこの世に生まれたと共に、母は死んだ。 体が弱かった母は、自分の命と引き換えに俺を生んだのだ



【姫、おいで?】
【とーさんっ!!】

幼い俺を猫を招くように呼ぶ父。 その頃の俺は父が大好きだった

母が居ない為か、父に溺愛されていた為か…



【姫? 今日は何してたのかな?】
【ひつじさんと遊んでた!!】

【ひつじ…? …あぁ、執事のメアの事ね】
【ひつじのメア!!】

執事のメア。 今でも父に仕えている男だ


父は俺を名前では呼ばない。 死ぬ前に母が残してくれた"炎火"という名があっても、父は俺を名前では呼ばない…



【姫、今日も愛らしいですね】
【姫、今日のおやつはイチゴでございますよ?】

【姫、着物の色はピンクと赤、どちらがよろしいですか?】
毎日、城の者達に俺は可愛がられていた。 実の子かのように…、いや、実の子よりも可愛がられていただろう


世界が俺を中心に回っている。 …そんな生活で、何不自由もなかった

"無邪気な子供"な時までは…

/ 885ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp