第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
ーー。
「雫ちゃん懐かしいな! 俺の事覚えてるか?」
広場(一番広い建物)に水底の民がワラワラと集まって雫の事を懐かしそうに騒いでいた
雫「えっと…」
「忘れちまったか! 昔のイジメっ子野郎なんて覚えてたくねーよな;」
アハハと苦笑いする同い年くらいの男。 何処か見覚えはある
雫(あ…。 前に夢に出てきた子…)
「ホント懐かしいなー…、あん時はごめんな雫ちゃん?」
雫「ううん、大丈夫だよ」
雫はニッコリと優しく微笑んだ
『…雫、楽しそうだな』
風夜「昔の人達に会えて少し記憶を取り戻してるのかもな」
「ねぇねぇお嬢ちゃん? 他国は楽しい?」
『楽しい事もあるが嫌な事もあるさ』
「ふーん…、お嬢ちゃんは小さいのに偉いね」
『あ"ぁ"…?』
風夜「それ禁句!!;」
ルナや風夜もそれなりに水底の民達と親しんでいるようだ
優「…水底の民はいい人ばっかりだね」
炎火「…」
優「…炎火は、罪を感じているの?」
炎火「…炎上の民が…、俺の種族が雫の種族を苦しめているんだ…」
ポツリ呟く炎火の声は消えてしまいそうな小ささだ
優「…全ての種族は幸せにはなれないさ、炎火も雫も」