第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
『だから、雫を連れてこの国を出た…。 そして黒蝶組に来たと…?』
炎火「そういう事だ…。 お前等、帰る準備をしておけ」
『は? 炎火はどうするんだよ…?』
炎火「クソ親父に話つけて親子の縁を切らせてもらう」
炎火はチッと小さく舌打ちをした。 余程父親が嫌いなのだろう
雫「…待って、炎火…」
炎火「あ? どうした雫?」
雫「…私、自分が育ったその場所へ行きたい」
雫の予想してなかった発言に皆は驚いた
炎火「俺の話を聞いてなかったのか!!? あそこは…!!」
雫「酷い所なんでしょ!!? 分かってるわ!! でも私の育った場所なんでしょ…!!? 私の故郷なんでしょ…!!?」
涙目になりながら怒鳴る雫に…
炎火「…分かったよ…、そこまで言うなら俺も行く…」
ごめんなさい、炎火…
ーー。
『こりゃ…』
風夜「本当に酷いありさまだ…」
巨大な城がある為、陽が当たらない裏のジメジメした地
ボロボロの小さな小屋がいくつか並んでるだけの場所だった
そんな地へ訪れたのは、ルナ、風夜、優、雫、炎火、の五人である。 後は城に残り、不穏な動きを見せないか見張っている