第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
\雫の記憶/
雫「私、が……水底の民…? 姫を騙して連れ去った…?」
記憶を失っている雫には何がなんだか分からない
炎輪「一国の姫を連れ去って…、ただで済むと思っているのかい…?」
炎輪の低い声、怖い
「雫姉さんは悪くありません!! 悪いのは僕なんです!! 処罰は全て僕が受けます!!!!」
その子はまた起き上がって雫をかばうように謝る
炎輪「君は私を騙し続けていたとはいえ、重い処罰なんて下す必要はないさ」
炎輪はクスッと笑ってその子の頭を撫でた
炎輪「君はお姉さんが大好きのようだから、お姉さんに関する事で生き続けている間ずっと背負わなきゃいけない苦しみを与えようじゃないか」
「ゆっ許して下さい!! 雫姉さんには何もしないで下さい!!!! お願いします!!!!」
炎輪「…連れてけ」
炎輪がそう言うと、部屋の外で待機していた兵がその子を掴み上げる
雫「やめて下さいっ!! その子に乱暴な真似は…!」
炎輪「…その子?」
炎輪はその子を連れ去ろうとした兵を止めた
炎輪「…君、先ほどからまるで他人のように振る舞っているように見えるね?」
雫「私…、昔の事は覚えてなくて…」