第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
名前を呼ばれて雫は縄を解こうとした手がピタッと止まった
雫「私を、知ってるの…?」
顔を上げたその者の顔は…
雫に少し似た子だった
「雫姉さん…、どうして戻ってきてしまったの…?」
雫「戻ってきた…? 私は、この国から来たの…?」
=ズキッ=
雫「っ…!!」
頭に突然の激痛
……まただ
「その子の縄を解かれては困るよ」
もう一人違う者の声が聞こえて雫はすぐさま顔を上げた
雫「あっ貴方は…、誰ですか…?」
「私は司馬羅炎輪と申すよ」
炎輪の指には、一つの指輪
雫「支配者…!」
炎輪「…ほう、この指輪が支配者の証明する物だと知っているのかい」
雫「…私の組のリーダーが支配者ですから…」
炎輪「広原地土君の事だね?」
炎輪の口から出た名前に雫はピクッと肩を揺らした
雫「はっはい…」
雫はゆっくりと縦に頷いた