第5章 *一番大きな感情編* 完結
地土「ここは…。 精神の狭間…?」
真っ赤に染まっていた壁は真っ白になっている事に驚いたが、一番驚いたのは…
地土「卯? …何処だ…?」
卯の姿が何処にもない事だ
《地土》
卯の声が聞こえた。 だが姿は見えない
地土「卯…? 何処に居るんだ?」
《…契約が終わりそうだから、お互いに姿が見えないのさ…》
地土「契約が…、終わりそう…? 待てよ、俺の最大の覚悟はまだ…!!」
《もう十分なんだ。 …お前は壊れそうになるまで追いつめられそうになりながら、やっと気付いたんだ》
地土「何に気付いたんだ!!? 彩達を殺めてよかったとでも…!!?」
《違う》
地土ははぁっとため息をついて座り込んだ
地土「じゃあ何なんだ…」
《お前、雪というあの男に向かって怒鳴ったじゃないか…》
地土「え…?」
《…また俺が言わなきゃ、分からないのか?》
卯が首を傾げたような気がした
地土「風時…」
《それが答えだ…》
地土「答え…」
《…地土、お前はもう十分頑張った。 十年…、もういいんだ》
地土「…お前は、消えてしまうのか…?」
《…消えない、自分の世界に帰るだけだ…》