第5章 *一番大きな感情編* 完結
【必要とするよ、エサとかそういうのじゃなくて…。 側に居てほしいんだ…】
用済みだなんて言わせない、エサだなんて生け贄だなんて…
【もう言わなくていいんだ…】
【おにいさんは…おかしな人です…】
=きゅっ…=
この子は静かに俺の服を掴んだ。 こんな小さな小さな手で…
【でも、とってもとっても…
安心しますーー…】
そこでこの子は意識を失った。 静かに寝息を立てて眠りについたようだ…
俺は眠っているこの子を抱き締めた。 壊れないように…壊さないように…
[いつまでそのままで居る気だ]
頭に直接聞こえるような感じで話しかけられた。 この声は卯だ
俺は顔を上げて見れば…
【…あ…】
空はオレンジ色に染まっていた。 俺はどのくらいの時間をこのままで…?