第5章 *一番大きな感情編* 完結
【えぇ!!? ぼっ僕のは!!?】
ちょっとからかったつもりなのに、雪はすぐに本気にして焦るんだから…
【冗談。 雪のもありがたく貰うよ】
【かっからかったな!!?】
怒りながらも笑う雪、それを見て楽しそうに笑う彩
……嗚呼…
俺は幸せだ
壊されたら、俺は一生立ち直れない
俺は毎日、時間があるたびに施設の近くにある図書館に通い詰めた
自分で言うのも何だが、俺は頭が良い
まだ母さんの元に居た頃から絵本代わりに難しい本ばかり読んでいたせいか
大人でも難しい漢字が分かる。 でも、世界の知らない事は沢山だ
俺が図書館で調べている事は
世界地図と、彩と雪の"種族"の事
確か……水底の民。 聞いた事ない
マオン国では聞いた事も見た事もない種族の名だ
…珍しい種族なのか…? それとも、危険な種族…?
…考えたくはないが、二人が危険な種族なら始末するつじつまが合う…
珍しい生き物なら普通は保護するものだろう? 始末する必要はないはずだ
特殊能力…。 それは始末しなきゃならないほど危険な能力なのか…?