第5章 *一番大きな感情編* 完結
時計が針で時を刻み、日付を変えた
俺は十一歳になった
あの電話から、管理人さんはイヤというほど彩と雪を甘やかして優しくした
周りの小さい子はいいなぁと思いながらも、来年で施設から居なくなってしまうからと理解していた
…本当の理由も知らずに
真実を知るのは、俺と管理人さんと、管理人さんと話していた人物…
【地土! 見て見て! 管理人さんから貰ったよ!】
【私も貰った!!】
両手一杯に飴やチョコを持った彩と雪が俺の元に駆け寄って来た
【よかったな】
俺はただそれだけを言って管理人さんの方を見た。 管理人さんは俺の視線に気付いたのか、微笑んできた
無性に苛立った、腹が立った
殺意が、走った
【…地土? どうしたの?】
【機嫌…悪いの?】
俺の異変に気付いた彩と雪は心配そうな顔で俺を見てきた
【…いや、何でもない。 俺の部屋へ行こうか…】
【うん! 地土にもお菓子分けてやる!】
【私のもあげるよ地土!】
【あぁ、彩のは貰おうかな】