第5章 *一番大きな感情編* 完結
気付いたら俺は、その場から逃げ出していた
部屋に戻り、隠れるように布団へ潜った。 頭まで被って、深く深く
考え続けた
俺の友達が殺される。 しかも十二歳になったら
彩は将来、偉い医者になりたいとか言っていたのに
雪は世界中を三人で旅したいとか言っていたのに…!!
夢を奪うつもりか? 彩と、雪の笑顔を奪うつもりか?
俺の二つの支えを折る気か?
…そんな事、させない…!!
大切なモノは自分で守る…。 母さんがそう教えてくれた
幼い俺はその時の言葉をよく理解は出来ていなかった。 でも、今ならよく分かる
二人が殺されてしまわない方法を何か探せばいい。 十二歳になってしまう前に何か方法を
また、三人で笑えるように。 三人で笑って、ここを出られるように…