第5章 *一番大きな感情編* 完結
風時「全然厳しくありません! やっ優しくていい人ですっ」
「ふぅん…。 …でも、親はあまり信じない方がいいよ」
風時「…何で、そんな事を言うんですか…?」
「俺は親が嫌いだからさ」
男は目を細めた
「親は子を捨てる。 …そういうもんさ」
風時「あっ貴方は、親に捨てられたんですか…?」
「施設前に置き去りにされた…。 …うん、捨てられたね…」
男の瞳には悲しみがあった
風時「そっそんな顔しないで下さい…! きっと貴方の親は捨てたわけじゃないと思い、ますっ」
「…君に何が分かるっていうんだい?」
ピリッと空気が張りつめたように感じた
風時「わっ分かりません…。 でっでも! 施設の前に置いて行ったのは貴方を少しは思ってくれていたからかもしれません…」
「…結局は何処に置いてかれようとも、捨てられたと一緒だよ…」
風時「そこ等の道ばたに置いてかれるよりはいいじゃないですか…!! 僕はそうされたんですから…!」
怒鳴り混じりの風時の言葉に男は目を見開いて驚いていた
「…君も、捨てられたのかい…?」
風時「…僕はよく覚えていませんが…。 僕を拾ってくれた人は、そう言ってました…」
「そう…」