第5章 *一番大きな感情編* 完結
「迷子…かな?」
風時「はっはい…」
「そう…。 怖かっただろうね、近くの街まで送るから
…もう泣かなくても大丈夫だよ」
男の言葉で風時は自分が泣いている事に気付いた
風時「(僕…。 いつの間にか泣いちゃってたんだ…) あっありがとうございます…」
「ついておいで」
男は歩き出したが、風時がついて行く気配はない
「…? どうかしたのかい?」
風時「…知らない人にはついて行っちゃいけないって…言われてるんで…」
「…あぁ、お父さんやお母さんに言われたんだね?」
風時「はっはい…」
「君は親に大切にされてるんだね」
男は優しく微笑んだ
風時「…おっお願い…しますっ」
「大丈夫なのかい?」
風時「はっはい! 貴方なら、大丈夫な気がして…」
「そうかい。 まぁ、俺は酷い人とかじゃないから」
そう言って再び歩き出した男に風時はついて行った
ーー。
「はい。 着いたよ」
風時「あっありがとうございました!」
建物の明かりが所々点いている街の入り口に到着し、風時は深々く男に頭を下げた
「君は礼儀正しい子だね。 親が厳しかったりするのかい?」