第5章 *一番大きな感情編* 完結
君達には"そう言っといた"んだ」
『言っといた…? 風時は捨て子じゃないのか…!!?』
地土「風時は捨て子じゃないよ…。 …母親は俺の幼馴染みなんだよね」
風夜「風時の母親を知ってるのか…!!?」
雷電「…なら、風時はその母親が子育てするのが無理だったから引き取ったという事か…?」
雷電の言葉に地土は首を横に振った
地土「三歳になるまで、風時は母親に育てられてたよ」
『じゃあ何故…?』
地土「…俺が…
取り上げたからさ」
風夜「取り上げただぁ…!!?」
一希「それって誘拐じゃ…!!?」
地土「…風時の身の安全の為だったんだ。 仕方がなかったんだ…」
俯く地土の声は小さくなり始めた
地土「風時の母親…。 彼女の側に置いていたら風時は狂って壊れてしまう所だったんだ…」
『…それってどういう事なんだ…?』
炎火「…その水底の民は"特殊能力者"だな…?」
今まで黙っていた炎火が口を開いた
『特殊能力者?』
炎火「水底の民には、"水底の巫女"という守り神が存在していたんだ。 そんで、特殊能力を持つ者は水底の巫女に守護者として力を与えられた者の事なんだ」