第5章 *一番大きな感情編* 完結
第三者の声が聞こえた
「そうやって、俺達を遠ざけようとするフリをして逃げる…。 弱虫になったな、地土」
地土「…雪(セツ)…!!!!」
和真の隣に立ったのは、前髪を結んでいる大人びた男・雪
雪「逃げるような腰抜けではなかったはずだろう…? 初めて会った時も」
目を細めて話す彼の耳も、尖っていた…
地土「…弱虫であろうが、強者であろうが…。 俺には関係ない」
雪「…言えるのか? "彼女"の前で。 〔俺は強くも弱くもない〕って…な…?」
雪の口から出た"彼女"という言葉に地土はビクッと肩を揺らし、周りをキョロキョロと見渡す
(なっ何だ…? 地土…、何かにおびえてるのか…?)
ルナはすぐに地土の異変に気づいた
雪「"彼女"は今はここに居ないよ? 地土」
地土「…"彼女"は何処に…?」
雪「…あの思い出の場所に居るよ。 俺と地土と…"彼女"と過ごしたあの小屋に…ね…」
地土「…そう、じゃあ他に用はないんだね?」
雪「あるに決まっているだろう?」
雪の視線は地土から
『…?』
ルナへと移った
地土「この子に何も用はないだろ…!!?」