第4章 *因果と雨編* 完結
地土は雷電と優が眠っている部屋の扉をゆっくりと閉め、その場を立ち去った
=サァァー…=
開いている窓から吹き入ってくる風が部屋のカーテンと、実体化した幻狼の髪を揺らす
幻狼「…全く、無理しやがって」
優「…幻狼、何で俺を喰い殺さなかったんだ…?」
優は片目だけを開けて幻狼を見た
幻狼「…あいつ等が居たから…な」
優「幻狼らしくない答えだね?」
幻狼「うるせーよ、黙って寝とけ」
優「…寝てる間に…ガブッ!とかはやめてよね?」
幻狼「やんねーよ! だから安心して寝やがれ」
優「…世話ばかりかけてごめんね、幻狼…」
幻狼「昔からだろ、今更気にしねーよ俺は」
ため息をつく幻狼に、優はクスクスと笑った
幻狼「…何笑ってんだよ?」
優「幻狼が優しいから」
幻狼「バッ…//!! 俺が優しい訳あるか!! そんな事二度と言わせねーよーに喉を掻っ切るぞ!!?」
優「えぇ!!?; それは嫌かな…;」
幻狼「…次、死にかけたら喰うからな」
優「…はいはい、気をつけますよ」
優は睡魔が襲ってきて、耐えきれずに深い眠りについた
幻狼「…"自分が傷つくより、相手が傷つく事を恐れてる"…か」