第4章 *因果と雨編* 完結
功「優君? 息が上がってるよ?」
優「…貴方こそッ…!」
優は功の刀を力ずくで押し返した
先ほどから、優と功の長い長い戦いが続いている
風夜「優… 何で契約刀を使おうとしないんだ…?」
「誇りだ」
いつの間にか風夜と一希の間に立っている幻狼が呟いた
風夜「うおっ!!?; お前いつの間に…;」
幻狼「あー? 寝首かくぞ?」
風夜「ざけんな!」
幻狼「ハ! 冗談が聞かねー奴だなぁ…」
一希「…ねぇ、誇りって?」
問いかける一希の方を幻狼は横目で見る
幻狼「俺にはよく分からねーが… 高野族の党首としての誇りがあるんだとよ」
風夜「高野族の党首として…」
幻狼「あいつは甘いからな、いつだってそうだ。 見ていてイラつく野郎」
幻狼はグルルッと唸り声を出す
一希「幻狼は優の事が嫌い、なの?」
幻狼「嫌いどころじゃねーよ! 大嫌いだ! 善人ぶって、優しくして、その分自分が傷ついて! ただの馬鹿だ!!」
一希「…優が馬鹿なら、幻狼は大馬鹿だね」
幻狼「ア"ァ"!!? 喰われてーのか餓鬼!!?」
一希「優は自分が傷つくより、相手が傷つく事を恐れてるんだよ」
\二つの覚悟/ 終