第4章 *因果と雨編* 完結
幻狼は不愉快そうな顔をして消えた
優の中に戻ったのである
風夜「…なぁ優…? そろそろ一体何がどうなってるのか教えてくれよ…?」
優「…俺は高野族の次期党首………父の跡を継ぐ者なんだ…」
風夜「それは知っているぞ優」
優「え? 何で知ってる…?」
風夜「何で知ってるか分からなかったけど…
雷電が教えてくれたんだ」
風夜の言葉で優は目を見開くと、とても寂しげな顔をした
風夜「…優…?」
優「…雷電が何故………俺を嫌ってるか分かるか…?」
風夜「そりゃ……分からねーよ…」
優「…教えるよ、雷電が俺を嫌う理由はーーーー…
俺の父が、高野族が、雷電の母を"殺した"からだ」
静かに風が吹いたのが合図のように、雨が降り始めた。
地土「雷電君、君の覚悟を聞かせてくれるかい?」
雨は嫌いで好きだ
音が声を隠し、匂いを洗い流してくれるから。