第10章 繋がる。【R18】
『そういえばアンはどうして俺の部屋で寝ていたんだい?』
あっ、忘れてた。
『エルヴィンさんの部屋の鍵が開いていて。エルヴィンさん、鍵かけ忘れていったんですか?』
『えっ……………確かに掛けた記憶はないかもしれない』
『少しの隙間から見えた部屋がエルヴィンさんの部屋だと思えないくらい散乱してたので、……その、帰ってきた時に清々しくなってくれればいいなぁ、って。』
『………そうだったのか、君がこの書類や本を………ありがとう』
でもね、とエルヴィンさんは言葉を続ける。
『俺だったから良かったものの、他の男の部屋では例え居眠りだろうとしてはいけないよ。わかったね?』
『え、あ。はい。わかりました……』
エルヴィンさんは満足そうに私の額に口付ける。
そして、そのまま2人でのんびりすごす。
こんな穏やかな気持ちになれたのは久しぶりな気がする。
一緒にご飯を食べ、夜になればベッドの上で昔みたいにお話をしていた。