第3章 再会
『ところでさ、なんで調査兵団なの?』
『えっ?』
エルヴィンさんに会うため
どこであったの?
と聞かれかねないのでこのことは黙っておく。
『私にね、色んなことを教えてくれた人がいたの。壁の外のこととか………それが見たいってだけかな………』
決まって、そう答えるようにしている。
間違ってはいないから……ね
『ふーん、そっかぁ、いい夢だね』
『アンナは好きな人のところへ行くんでしょ?♡』
『っな!?ち、ちがうよぉ』
そういう彼女の顔は真っ赤である。
前に聞いたことがあるが、憲兵団の人でアンナの憧れの人がいるらしい。どうやらその人に会いに行きたいがために立体機動や座学に励んだという。
私も同じような理由だけど、こうやって嬉しそうに話してる彼女をみると羨ましい、と思ってしまう。
私も堂々とエルヴィンさんに会いたい、と言ってみたい。
『お、おい……』
振り返るとそこには同期の男子兵がいた。
名前なんだっけ…………フ……………まぁいっか
『アン、こっちに来て欲しい、んだけど』
『なんで?』
『い、いーから』
『いっといでー』
とアンナが言うのでついていくことにした。
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『そりゃそっかぁ、今日で最後だもん、気持ちは伝えないとね………』
ひとり、アンナは呟く。
『(アンは自分では意識していないだろうけどすごく可愛いし綺麗だから狙ってる男子は多いんだよねぇ)』