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私にとっての自由の翼【進撃の巨人】

第19章 悲しみとともに





「……アン、さんですよね?」



呆然と立ち尽くす私に声をかけてきたのはとある隊士だった。



「っ、はい……?」


「ごめんなさい、急に話しかけてしまって」


おそらく後輩の隊士なのだろう。


彼はもぞもぞと隊服のポケットから紙を出し、私の前に差し出す。


「あの、これ………」


「?」


受け取ると、手紙のようだった。少し血が滲んでいる。



「……預かったんです。渡すように、と……」


彼の涙ぐむ表情を見て、わたしは嫌な予感がし、手を震わせながら手紙をみる。



『アンへ

急に手紙なんかごめん。でも、これを受け取っているということは俺は死んだんだろうな。


お前と出会った時、めちゃくちゃ可愛い子がいるなと思ったよ。



そんでお前を見ているうちに俺は好きになってた。


すぐ振られたけどな。


でも、お前のことはやっぱり諦めきれなくてさ。


友達という立場をつかいながらお前と過ごさせてもらったよ。


エルヴィン分隊長と一緒にいる時のお前、すごく嬉しそうだった。


内心ムカついたけどあの人にはかなわねぇや。



でも、これだけはいわせてくれ。


お前のこと、今でも好きだ。



俺は先にいっちまうけどよ、


もし天国であえたらその時は……なんてな。


身体、大切にしろよ。


ずっと、見守ってるから。 トーマスより』





「………っ、」


私はその場で泣き崩れた。
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