第16章 好きなんだ
『っ、』
な、に……………今の夢……………………
お母さんと…………話してた…………?
『……………アン。』
気づくと私は医務室にいた。
薬品の匂いが懐かしい。
そして、椅子に座ってそばにいたのはリヴァイだった。
『…………あ………名前よんでくれた』
『馬鹿か。』
『…………ほんとに私…………馬鹿だよね……………ごめん、運んでくれてありがと…………』
『…………………ああ』
お互い無言になってしまう。そりゃそうだよね…………
『……………その………あれだ……………なかに出されたやつのことは………心配するな。緊急の避妊用の薬を飲ませたから…………。血のことも…………今は…………』
『………ごめんね、ほんとに。』
私は大丈夫、と笑顔を作る。
けど、本当は今までにないくらい絶望している。
『……………ああ』
『………………リヴァイ、ごめん………ひとりにして……………助けてくれて本当に感謝してる…………でも………』
『…………ああ、わかってる』
リヴァイはそのまま医務室から出ていく。