第14章 ギャップ
________
『はぁ、』
『すまないアン、目を隠してしまって』
『あ、いえ、逆にありがとうございます』
『まったく人騒がせな話だ。リヴァイがひよこのおもちゃとお風呂に入っているというだけで呼ばれてしまうとはな』
『だって面白いじゃん!!あのリヴァイだよ!?』
そ、そりゃあ面白いけど…………
『そんなことくらいで私の部屋にノックもしないで入ってきてこないでほしい………もし私とアンが本番中だったらどうしていたんだ』
『っな、ちょ、』
『んー………ちょっと観察してから連れていく』
『わぁぁみないでくださいっ!』
『…………お前らは俺の部屋でなにくつろいでいやがる』
風呂上がりのリヴァイが服を着て顔を出す。すごく不機嫌だ。
さっきは一瞬しかみえなかったけど、とても良い筋肉を持っていた。
『アハハ、ごめんよ〜、すぐ帰るからさ!』
『お前とアンはデキていたのか』
私とエルヴィンさんの方を見てそう吐き捨てるリヴァイに向かい、
『そうだよ。だからアンは君には渡さないよ』
『誰もいらねぇよそんなちび女』
『なっ!?』
相変わらず口だけは悪いんだから…………
でもまぁ、今日はあのひよこに免じて許してあげよう。
_________
ずっとこんな日が続けばいいと思った。
だけど、そういうわけにもいくはずがなくて。
私はこれから荒波に揉まれることになることは
この時はまだ、知らなかった