第13章 一匹狼
『イザベルちゃんにファーランくんにリヴァイさんね。よろしく』
リヴァイさんを見た瞬間、どうやってエルヴィンさんは連れてくることが出来たのだろうか疑問に感じるほど難しい男に思えた。
今すぐにでも私を殺してしまいそうな目つきをしていた。いや、私ではなく、エルヴィンさんかもしれない。だからさん付けなんだけど………
『とりあえず明日から一緒に勉強しましょうか、場所は…………食堂にしましょう』
『んじゃあ明日な!!ねーちゃん!!!』
ブンブンと手を振り走っていくイザベルちゃんは存在はしていないけど妹がいるように錯覚してしまう。
可愛いな、と思っているとリヴァイさんも部屋から出ていく。
『リヴァイさんも……………明日、食堂で』
『…………………』
そのまま何も言わず見えなくなってしまう。
『エルヴィンさん』
『ん?』
『私、リヴァイさんに嫌われてるんですかね?』
ハッハッハ、と大きな声で笑い出すエルヴィンさん。
『それはないと思うよ、私に対する表情と比べては穏やかに見えたが。』
『そうなんですか、』
『彼は基本的に人を信じないんじゃないか?だからあんな感じで一匹狼なんだ。』
『………私、やっていけると思いますか?』
『もちろん。君だから選んだんだよ?』
エルヴィンさんに抱きしめられ胸におさまる。
だけども不安は消えず、私は背中に手を伸ばすことしか出来なかった。