第6章 マドレーヌ
僕が抱きつくと、翔兄は
優しく抱きとめてくれる…。
…僕、こんなに幸せで良いのかな。
僕が翔兄の、心臓の音に耳を澄ませて
いると、翔兄が僕の耳元で囁いた。
翔「…母さん達には、秘密…だな」
和「…っ!…僕達、付き合うの…?」
翔兄の顔を見ると、照れたように
微笑んでた。
…こんな表情の翔兄…見たことない…。
翔「…駄目か?…俺は、付き合いたいと
思ってるよ…」
和「…駄目な訳ないよっ!…僕だって…
翔兄と、兄弟以上になりたいもん…」
翔「…兄弟以上、か…なんかエロい響きだな…」
翔兄は、そう言って僕の髪をひと撫でした。
…ふふ。相変わらず翔兄の手、大きいなあ…。
和「…どこがエロいの…?」
僕が聞くと、翔兄は
にっこり微笑んで、いつもより低い声で
答えたんだ。
翔「…だって、イケナイ事…してるみたいだろ?」
和「…っな!」
翔「まあ…イケナイ事、なんだけどな…
本当は駄目だから…」
そう言う翔兄は、少し悲しそうで…。
僕は、そんな翔兄の不安を取り除いてあげたくて
僕だけを見て欲しくて、翔兄のシャツを
掴んだ。
和「…そんなのどうでもいいじゃん…。
好きになった人が、兄ちゃんだったんだもん…。
僕達だけが、幸せなのは…そんなにイケナイ事…?」
翔「…和…」
僕の言った言葉に翔兄は、
微笑むと、僕に顔を近づけてきた…。