第3章 マカロン
潤「…ねぇ…」
俺が、動きを止めて
翔に尋ねると、翔は不思議そうに
火照った顔で俺を見つめてきた。
翔「…んっ…なぁに…?」
潤「いつまでそれ…抱えてるの…?」
俺が、ぬいぐるみを目で示すと
翔はギュッとぬいぐるみを庇うように
抱き締めた。
…なんか、ムカつくんだけど…。
俺、ぬいぐるみに負けてるみたいじゃん。
翔「…良いでしょ…。そんなの。
俺、これが気に入ったんだもん…」
潤「へぇ?…そんなに気に入ったの…?
この状況で、そんな事言うくらいに…。それは
嬉しいな…っ!」
翔「…んあっ!!…やっん!…いきなりっ…!
んぅああっっ…!!」
俺は、少しの怒りを含めて
翔の中を突いた。
潤「…いい加減、ぬいぐるみ離しなよ…」
翔「…や、やだあっ…!んんっ!…あっん!」
翔は、首を横に振って
頑なにぬいぐるみを離そうとしない…。
…ああ、もう…。
イライラするなあ……。
潤「…翔。俺に…」
翔「…っん!…んんっ…?」
俺は、翔の中を突きながら
言葉を続ける。
潤「…俺に、そのぬいぐるみプレゼント
した事…後悔させないで…っ?」
翔「…っ!!…ひあっ!…やっ…!
離すからあっ…!お願いっ…俺を…見てよぉっ!」
翔は、ぬいぐるみを離すと
ソファーの下に落とした。
そして、俺の頬に手を伸ばすと
自分からキスをしてきた。
…やっぱり、君は俺だけのもの。
俺の腕の中で、コロコロと表情を変える
君が可愛くて仕方ない。
だからもっと…。
もっと、俺に色んな顔を見せて…?
でも、その顔は…一生俺だけだからね?
…翔の可愛い可愛い、ピンク色の顔…。
これからも、俺の腕の中で
丸くなってて…?
甘くなってて…?
―――end―――