第2章 オレイエット
*二宮和也
…暖かな風が吹く、新学期の
4月。
僕は、この春高校生になったばかりだ。
家から近いという理由で、この高校を
選んだんだ。
高校生になれた喜びと
ドキドキと
…少しの不安を抱えながら
僕は、大きな桜の木がある校門の前に立った。
そこで、出会ってしまった。
風になびく、黒い髪…。
爽やかな笑顔で生徒達と挨拶を交わす。
背が高くて、スタイルの良い彼に…。
ひと目で、運命だと思った。
男だとか、そんなの関係ない…。
…たとえ、それが先生でも…。
『お!新入生?…おはようっ!』
和「…あ…お、おはようございます…」
黙って見つめていた僕に気づいた
彼が、声をかけてきた。
びっくりして、ぎこちない挨拶に
なっちゃったけど、彼は気にしていないみたいだ。
そんな出会いから1ヶ月…。
僕の想いは、まだ何も進展を生まぬまま
時が流れていた…。