第8章 ベレ・バスク
翔「…ねぇ、潤とシたんでしょ…?」
智「…え?」
翔が俺に抱きつきながら、そんな事を
言い出した。
…それは、翔も承知のうえで…。
って事じゃなかったのか…?
智「…そうだけど…」
翔「やっぱり…納得いかない…」
智「えっ?…うわっ」
翔は、俺の腕を引っ張ると
さっき調べておいたのか、俺の寝室まで
誘導して、俺をベッドの上に押し倒した。
…細い身体のどこにそんな力が…。
智「…翔?」
翔「…僕ともシてよ。…お兄さんは、
僕の事が好きなんでしょ…?」
智「それは…」
翔が、俺の上に跨りながら
少し寂しそうな目で言った。
…もしかしなくても…、
嫉妬、だよな…?
翔「…ねぇ、どうなの…?」
智「俺は…お前が好きだよ…気が狂いそうに
なるくらい」
翔「…ふふ」
智「お前は…?」
俺が聞くと、翔はにんまりと笑った。
翔「僕は、お兄さんが僕に気付く前から
ずっと、好きだったよ」
智「…え」
…翔の方が、俺の事をずっと前から
見ていたなんて…。
夢にも思わなかった。
翔「…好き過ぎて、あの日…僕は
貴方に声をかけたの」
智「…そう、だったのか…」
翔「…僕と恋人になってくれる…?」
智「…当たり前だよ」
翔「…んぅ…!…んふっ…ふあっ」
俺は、上半身だけを起こし
翔の唇に濃厚なキスを贈った。