第10章 新旧双黒+織田作/楽しい文化祭
まるで、文化祭デートみたいで、今凄くドキドキしています。
いつも可愛い聖子さんだけど、今日は文化祭一色な校内をキョロキョロ見渡していて。余計に可愛い///
このまま、何も起こらずに文化祭デートだけで終わればいいのになって思うくらいで…。
でも。そんな時に限って。
スリだったり、喧嘩だったり、迷子だったり…
もー、何でこんなに忙しいんですか!?
「これで…、とりあえず落ち着きましたかね…」
「うん、お疲れ様、敦くん。ごめんね、敦くんばっかりに働かせちゃって…」
「とんでもないです!! 聖子さんに怪我がなくて良かった…」
「敦くん…/// あ、これ! さっきお茶買ったの、良かったら飲んで?」
そう言って、お茶を差し出してくれる聖子さん…
まるで女神のようです…///
「敦、ここにいたか」
「あ、国木田さん!」
「報告は受けている。頑張っているようだな」
「ありがとうございます」
「先程、谷崎から連絡があった。最近この辺りで犯行を繰り返している連続無差別殺人犯。その人相にそっくりな男を校内で見たという生徒がいるらしい」
「なっ!?」
「まだ確証はないが、もし本当にその連続無差別殺人犯なら大変な事態だ。用心してくれ。これがその男の写真だ」
写真に手を伸ばして、脳裏に焼き付ける。
早く見付けて、捕まえないと…!!
「聖子さん、こちらがその男の写真だそうで…。…あれ? 聖子さん…??」
「ん? 月尾が一緒にいたのか?」
「え…、今までずっと一緒にいました!!」
「…俺が声を掛けた時は敦の姿しか見えなかったが…。てっきり、月尾はトイレか何かで…」
「……!!!???」
僕は無我夢中で走り出していた。
聖子さんの身に何か起きたんじゃないか。
そう思ったら頭が真っ白になって何も考えられなくなっていた。
ただひたすら走っていると、誰かにぶつかってしまい…
「あっご、ごめんなさい!!」
「廊下は走っちゃ危ないよ敦くん」
「あっ…、太宰さん!!」
「どうやら、何かあったみたいだね。まずは落ち着くんだ敦くん。話はそれからだよ」
僕は太宰さんに今までの経緯を話した