第10章 新旧双黒+織田作/楽しい文化祭
「えー。いーじゃーん、俺達と遊ぼうよ♪」
「ひゃっ!!?」
お兄さんの一人が腰に手を回して、もう一人が私の手を掴む。
や…やだ…怖い…!!
「おい。そこで何をしている」
一番、聞きたかった声がして、一気に恐怖が飛んで行った。
「なっなんだ手前ぇは!!」
「それはこちらの台詞だ」
「あぁ!!?」
「何度も言わせるな。僕の彼女に何をしていると聞いている」
低くドスの利いた声、射貫くような鋭い眼光に怯んだお兄さんたちは、そそくさとその場を去って行った。
「あ…芥川く、ん…っ!??」
芥川くんに近付いたところ、ぎゅっと抱き締められた。
え、えぇぇぇぇ!!??/////
「どこも怪我は無いか!? 何も酷いことはされていないか!?」
「う、うん、大丈夫だよ!芥川くんが助けてくれたから…///」
「そうか…良かった…」
力強く抱き締めていた手が少し緩み、芥川くんの顔を伺い見る事が出来た。
とても、心配そうな顔をしていて。
「済まない、少々取り乱した…。月尾が奴らに酷いことをされたらと思ったら…考えるより先に行動していた…」
「…その、すごく!嬉しかったの!! 助けてくれて、ありがとう…///」
「月尾…。…好きだ。もう一人にはしない。お前も、僕の傍を離れないでいてくれるだろうか…」
「…っはい!!///」
ちょっと怖い事もあったけど、本当に最高の文化祭になったのでした。
Fin.
おまけ
↓
「昨日の文化祭、楽しかったね!」
「あぁ。…そういえば、中也さんからこれを貰ったのだが…」
「…。これって、昨日中也さんのクラスがやってた喫茶店のメイド服…」
(……じぃー…)
「え。着るの?私が??」
「…ダメか?」
「あれ、昨日メイドさんは興味なさげだったような…?」
「何を聞いている。好いた者が着るのは別だ」
「えっ、そんな事言ってたの!?」
「…本当に聞いてなかったのか…」
「そ、その…、芥川くんに見惚れてて…///」
「愚者め…///」
結局、その日の放課後に芥川くんのお家で例のメイド服を着る羽目になったのでした。
おわり。