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文スト夢倉庫

第9章 織田作之助/キミと描く物語



あ…危ない…平常心よ私。
この下心を見破られる訳には…!!


「そうか。俺もシャワーを浴びてくる。ゆっくり待っていてくれ」
「…!!!は、はい!!どうぞごゆっくり!!!」



あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”
今のセリフ…!!!
かっこよすぎるよ…織田作センパイが…シャワーを浴びてくるって言ったよ…!!??
神様本当にありがとうございます…。


と…とりあえず、落ち着くの、私。


それからセンパイがシャワー室から出てきたんだけど。
あまりにも緊張して
待っている時間が一瞬にも、すごく長くも感じられて。
そして出てきたセンパイが…

色気半端ない…!!!



「…どうした?」
「…いえ…なんでもありません…」


半裸に肩口にタオルってこんなに尊いものだっけ??
センパイの引き締まった上半身が惜しげもなく!!!

ど、どうしよう…目のやり場に困る。
めちゃくちゃガン見したいのに、み…見れない///


「聖子」
「は…はいっ!?」


ふわっとタオルを被せて


「髪、ちゃんと乾かさないと風邪を引くぞ?」

なんて顔を覗き込んでくるんです。
あぁ。もう。無理。


「せ…センパイ!!あの!!」
「ん??」
「私!センパイのこと大好きなんです!!付き合ってください!!!!」


言った。
勢いに任せて言った。
とうとう言ってしまったんだ。



「………っ」



沈黙が苦しい。
ちらりとセンパイの顔を伺うと、とても辛そうな顔をしていて。
胸がズキンって。まるで大きなナイフで貫かれたような感覚だった。

これが一方的な恋だってわかってたけど、やっぱり、辛い、な。



「俺は…」


センパイが発した言葉にビクッと身体が震えた。



「俺は、昔に何人をも人を殺した。この手は…あまりにも血に塗れている」
「センパイ…」
「お前の好意は嬉しい。だが、この手では…お前を幸せには出来ない」



それはとてもとても
哀しそうな表情だったー





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アイツの好意には当然気づいていた。
…嬉しかった。
いつしか俺は、アイツの気持ちに気付かないふりをして
今のこの自分に都合のいい関係を甘受していたのだ。
失うのが、この関係が崩れてしまうのが怖かった。
利己的であるのはわかっていたハズなんだが…。





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