第8章 新旧双黒/そうだ、街コンへ行こう
『王様は敦くん』
敦「わ…!!王様当たりです!!」
私「敦くん…」
ちっ…!!
と舌打ちしたい自分と。
敦くんで良かったと思う自分がいた。
太「さぁ敦くん、命令したまえ」
敦「えっと!じゃあ……、っ!?」
勢いよく立ち上がると、グラッと体勢を崩す彼。
それを慌てて隣の太宰さんが抱き止めた。
あ、美味しい…
じゃなくて。
太「敦くん大丈夫かい??」
私「ちょっと見せて」
実は大学で医学を少しかじっているので
一目で分かってしまう。
私「ねぇ、この子、未成年でしょ」
私の問いにサッと視線を外す太宰さんと中也さん。
私「全く。未成年にビールなんて飲ませないでよね」
そう言って敦くんを抱き上げる。
え、軽っ!この子軽っ!!
私「ちょっと休ませて来るから」
太「だ、大丈夫…?」
私「この子軽いし余裕」
中「お、おう…頼んだ…」
スタスタと歩くと背後から
カッコいいとの賛辞を散々浴びたのであった。
敦「ん…、んん? ここ…」
私「大丈夫?」
敦「…!? 聖子さん…!??」
私「こら、急に起きないの。また倒れるよ?」
敦「あ、すみません…」
しゅん…となってるのが可愛すぎてもう。
酔っているせいで顔も赤らんでいるのも相まってもう。
控えめに言ってクソ可愛い。
私「未成年はお酒飲んじゃいけないって分かってるよね? 何でビールなんて飲んだの?」
敦「すみません…。こういう席では男はビールを飲むものだと教わって…」
太宰さんと中也さんだな…。
敦「ごめんなさい迷惑掛けて…。カッコ悪いですよね…」
私「そうね。次からは気をつけて? カッコ悪いとかカッコいいとかじゃなくて、身体に悪いし心配だから」
敦「聖子さん…///」
……はっ!!
まさか………
こうやって敦くんを酔わせ、看病すると偽りあんなことやこんなことをする算段だったのでは…!?
太宰さんや中也さんなら有り得る…!
だとしたら私ったらなんて余計な真似を!!
敦「やっぱり、僕の思った通りでした」
私「ふぇ!??」
敦「美人で、とっても優しくて…聖子さんは僕の理想の女性です///」