第5章 中島敦/初キス大作戦
『聖子さん、大丈夫ですか…? 怪我は!?』
『大丈夫、守ってくれてありがとう、敦くん///』
『そんな、当然じゃないですか…/// 怪我が無くてよかっ…』
『凄いね!これが4Dってやつなんだ!!』
『………え』
『ほら、振動とか、熱さとか、風とか、匂いとかが体感出来るっていう映画館の!! 銃撃戦のシーンで本当に銃弾がやって来るなんて凄いよね!!』
『違います!今のは絶対違いますからね!!?』
「…天然…を、越えすぎてねぇか?」
「可愛いお嬢さんだね♪」
「あぁ、まぁそりゃあ同感だが…」
「じゃあ次~♪」
「まだあんのかよ!!?」
太宰が違う色のスイッチを押した。
すると…。
『あっああんw あ、だめぇww』
「!!!?」
今まであぶない刑事を流していたテレビの映像が
急にAV画像へと変わった。
一体どんな仕掛けだよ!!?
『わ…/// さすがあぶない刑事です、こんな急展開になるなんて予想も付かないです///』
『わぁぁぁぁぁ/// ダメです!見ちゃダメです!!』
「いやぁ、凄いねぇ。いつも大画面でこんなAV見てるんだ中也。とんだ変態だね」
「う、うるせぇ!! 違ぇよこれは俺の趣味とかじゃなくてだな…」
「はいはい。…ん? 敦君が何か口パクで言ってるね?」
「あん? どれ…」
だ、ざ、い、さ、ん、そ、こ、に、い、る、で、しょ
ー太宰さんそこにいるでしょ
「敦君も探偵らしい推理力が身に付いたもんだねぇ。感慨深いよ」
「おい、お前んとこのガキ、人でも喰い殺しそうな眼してんぞ」
「さすが人喰い虎だね」
「いっそ喰い殺されちまえ青鯖」
「中也酷い。 いーや次いっちゃおーっと」
「今度は何なんだよ!!?」
太宰がまたスイッチを押すと
AVからあぶない刑事へと画面が戻った。
マジでどんな仕掛けだよ…。
ピンポーン♪
「!? 来客…? 誰だよこんな時に!!」
「あぁ大丈夫。さすが、時間通りに来るなぁ」
「はぁ? これもてめぇの仕業なのかよ?」
「当然だろう?」
モニターを見ると
敦が彼女を制止しているようだった。