第5章 中島敦/初キス大作戦
※以後、主に中也視点。『』が敦君とあなたです。
『じゃあ、DVD見ましょうか? 聖子さん、見たいDVDがあるって言ってましたもんね』
『うん♪ ちゃんと持って来たよ♪』
ふーん。いかにも可愛いって感じの子だし…
ラブロマンス? ファンタジー?
アクションって感じじゃねぇな…
って思ったが。
『じゃーん♪ あぶない刑事♪』
※分からない子はお父さんお母さんに聞いてみよう!
ぶふぉっ!!?
俺は盛大に飲みかけていた葡萄酒を噴き出してしまった。
「な…? デートであぶない刑事ってどーゆーチョイスだよ!? 大丈夫か!?」
「まぁまぁ。ほら中也、タオル」
「あぁ、悪ぃ…。……………!?」
自分でも驚く程のスピードでタオルを差し出した方へ向き直ると
恐怖すら覚える程の笑顔でニヤニヤしている太宰がそこにいた。
「なっ…なんでてめぇがここにいんだよ!!?」
「嫌だなぁ、こんな面白そうな事、逃す訳ないじゃないかww」
悪魔だ…。笑顔の悪魔がそこにいやがる…
「さて、二人はどんな感じかな~?」
「おい、勝手に座ってんじゃねぇよ」
「おやおや。固いねぇ敦君は。」
「聞けやコラ」
でも確かに固ぇな。ほんとに付き合ってんのかよ。
まぁ、アイツらしいっちゃらしいけどな。
「やっぱりきっかけがないとね♪」
太宰はキラッキラした顔で何かのスイッチを握った。
…ん? スイッチ??
「おい太宰、何だよそのスイッチ」
「まぁ見てなって♪ えいっ♪」
太宰がスイッチを押した途端。
ガッシャーーーン!!!
「!!!?」
窓ガラスが割れた音が響く。
嘘だろ? 強化ガラスだぞ!!?
それだけじゃない。
ズダダダダダダッ!!!
今度は銃声かよ!!?
「お、敦君聖子ちゃんを庇って、やるなぁ♪」
「てめぇは一体俺の部屋に何しやがった!?」
「何って、昨日中也がいない隙にピッキングで部屋に入って色々仕掛けさせてもらっただけだけど?」
「だけだけど?…じゃねーよこの青鯖野郎💢」
二人の様子は!!? 無事なのか!!?