第1章 はじめまして。こんにちは(太宰治)
「お待ちしておりました」
『早いね。待たせた?』
路地裏に行くと既に樋口が居て、私は軽い口調で樋口と話しかけた
「いえ....」
小さく首を振った樋口は私の来た方向を怪しむように観た
誰か付いてきていないか気にしているのだろう
『気にしないでも誰も付けていないよ』
私が先回りして答えると樋口は一瞬おどろいた様な表情を見せた
「分かりましたか..」
『マフィアにしては感情豊過ぎるんだよ。樋口は』
そう云い乍ら肩を竦め、態と隙を作る
『だからね......』
私は事前に懐に忍ばせていた銃を後ろに突き付けた
『アンタ達の企み、丸見えだよ?』