第7章 初夜 ※
翌朝
遠くで聞こえた鳥の囀りに、少しずつ意識が覚醒していく
目を開くもまだ視界はぼやけている
カ「ん・・・」
何度か瞬きをし、視界がクリアになっていくと煌の手がみえた
カ「腕枕・・・好きだな」
まだ少しだけ頭がボンヤリしている
ほぼ無意識だったかもしれない
視界に入っている彼の手に自分の手を重ね、軽く握った
こんなにすぐ手が届く場所に煌がいる
それがとてつもなく幸せだ
思わず口許が綻ぶ
幸せに浸っているとキュッと手を優しく握り返された
カ「お、起きてたのか?!」
「手・・・握られて、起きた」
カ「すまん」
「だいじょぶ・・・身体、何ともない?後処理、ちゃんと出来たか分かんないし」
まだスッキリと起きてないのか、言葉短にボソボソ喋っている
言いながら空いてる手で腹をさすってくれた
カ「何ともないぞ・・・腰は少し痛いがな」
小さくボヤくと背中で煌がクスリと笑う
「カラ松がもっとって離してくれないからでしょ」
カ「そんなこと言ってない」
「ん~?」
握っていた手を離し寝返りを打つ
カ「もっとって言ったのは煌だろう?」
「じゃあ、お互いってことで」
フワリと笑いながら言い、キスをされる
「ん、はぁ・・・いいな。起きたら目の前にカラ松がいて、触れられるって」
カ「あぁ、俺もそう思った」
「これから毎日こんな風で、嫌になる日もあるかも知んないけど・・・それでもカラ松といたいから」
額を合わせて真剣に語る煌
カ「俺も煌と一緒にいたい」
「ま、これからもよろしく」
カ「あぁ、こっちこそ」
新たな生活を祝福するかのように降り注ぐ朝陽の中、どちらからともなく唇を合わせる
これからの時間が幸せであるよう、願いながら・・・