第4章 君が生まれた日
そこまで言ってカラ松にキスをしようとしたら、抱き付かれた
カ「ありがとう、煌」
「ん?」
カ「俺のことだけじゃなくて、兄弟達のこと」
「別に、あいつらはついでだから」
カラ松が体を離す
その顔は笑っていた
カ「そういうことにしといてやる」
「うるさい」
照れ隠しにキスを贈る
カ「ん、んふ・・んぅ」
唇を離すと時計がメロディーを奏で出した
針は零時ちょうどを指している
「誕生日おめでとう・・・それと、生まれてきてくれてありがとう」
カ「はは、どうしよう。すごく嬉しい」
困ったようなはにかんだような笑顔に、涙を浮かべている
カ「煌がいなければ、こんな気持ちは分からなかったな」
俺が常々思っていること
カラ松でもあるんだな
「そうだ、ちょっと待ってて」
せっかくだからプレゼント渡そう
寝室からプレゼントを持ってきて渡す
「仕事帰りにそっちに渡しに行こうと思ってたけど」
差し出すと無言で受け取る
カ「プレゼント・・・貰うなんて久々だ。開けていいか?」
「ん」
丁寧に包装紙を開いていく
中身を取り出したカラ松は目を見開いた
カ「すごい・・・綺麗だな」
「プリザーブドフラワーって言うんだって。枯れないらしい」
ドーム状のガラスの中に一輪の青バラ
カ「煌からは素敵なものをもらってばかりだな」
「いんじゃない、俺は目に見えない大事な物たくさん貰ってるから」
言ってて恥ずかしいが、事実だから
カ「本当にありがとう、大好きだぞ」
チュッと頬に口付けられる
幸せだ
君が生まれてきてくれたから、君が隣にいてくれるから
これからも二人で幸せに包まれていられるように
Happy Birthday
・・・その日の昼過ぎ
家主がいない部屋を二日酔いでヘロヘロになりながら、カラ松の指示で片付けをさせられる5人の姿があったとか