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近くて・・・

第3章 説明して


~6時間前・11時頃~


「シェアハウスの管理人やってくれない?」
なさん
「断る」

「即答!?」

そりゃそうだ、大手レコード会社社長の父はいつも仕事で忙しくなかなか会えない
だが、久しぶりにメールで『話がある』っときたら
いくら普段クールだの無口だの言われている私でもテンションが上がった

なのに第一声が「管理人やってくれない?」だよ、回し蹴りをお見舞いしたいぐらいだ

なさん
「帰る」

「待って!悪かった!ちゃんと説明するから!」

帰ろうとしたが必死に止められ
客人用のソファーに座らされた

なさん
「で、なに?」

「そんなに怒るなよ・・・
えーっと、今度うちの会社の企画で若手男性声優何名かをプロデュースすることになったんだ」
なさん
「へー声優さんねー」

「ちゃんと聞いてるか・・・?
で、毎度の如く、しばらくの間うちの会社のシェアハウス用一軒家に住んでもらうことになるんだが、
なさんにはその管理人をやってもらいたい! 」

うちの会社はなぜかプロデュースする人にシェアハウスや寮に一時的に住んでもらっている
仕事の伝達とかレッスン場の使用とか利点が多いからってお父さんは言うけど・・・でも、

なさん
「シェアハウスに管理人っている?」

そう!まずこれを突っ込むべきだった


「住んでもらう人たちみんな忙しいから
料理とか洗濯とか掃除をやってほしいんだよ」
なさん
「つまり雑用か・・・ますます嫌だ」

確かに家にはいつも私しかいないから家事は全て自分でやってるけど、他人のものまでやりたくはない
それに私はまだ・・・

なさん
「私まだ高校生だよ」

そう、私はまだ高校生。
勉学に部活に恋愛。なにもしなくても面倒事が涌き出てくるお年頃。そんな大変な時期に他人の事まで気にする余裕はない


「あぁ、確かにお前はまだ高校生。自分の事に専念したい気持ちもわかる。
だが、お前は私を、この会社を継ぐものだ。
学校生活と仕事を両立する位の事はできてくれないと困る。」

ダメだこりゃ・・・お父さんがまじモードに入っちゃった、こうなると厄介・・・いや、もう無理だな

なさん
「はぁ、分かったよ」


毎度、結局こうなっちゃうんだよね・・・






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