第2章 逃走編
「教会側は、どうしてチャイニーズマフィアが犯人だってわかったんですか?」
続けざまに質問すると、メロはめんどくさそうに答えた。
こっちだって何があったかぐらい知りたいわーい!
「①三国会(マフィアの名)が、ニュースにもなったが、ロスにあるキラ捜索本部を奇襲して、ノートを奪った
②そのノートを使って三国会にとって都合の悪い連中、その他自分の殺したい連中を殺した
③その周辺を調べて、キラが『ノートに関連する連中すべて抹殺しノートを持って来い』と記入
そんなところだ」
早口なのと風の音で聞き取れないかと思った…。
でも、一部おかしなところがあったことはわかった。
「はいはい!①がおかしいと思います!」
「ああ、馬鹿なお前にも分かったか」
馬鹿は余計ですが、本当のことなので仕方ないとして、①はおかしい。
ノートを奪われたのは香港だし、ニアたちはその日、私たちと普通に飛行機に乗っていた。
「ロスを爆破したのはニア自身だ。襲われてノートを奪われたということにして、人質交換する時間稼ぎがしたかった、そんなところだろ」
な、なるほど…。どこからニアの策だったのか、考えると恐ろしい…。
「あ、あと、ニアのつけた発信機…。これもったままでいいんですか?」
ニアについて考えていたら思い出した。
私は別にかまわないけれど、競っているメロにとっては不都合なのでは、と思った。
「…それだがな」
ずっと前を向いて運転していたメロがこちらを向いた。
「ニアは形式上、『キラ』に協力してこのデスノートを探している。よって、俺たちの動きは『キラ』に筒抜けになっている」
すてろーーーーーすてねばならぬ!!!
スマホケースに挟んでいたはず、と一生懸命ポケットを探し始めると、メロは薄く笑いながら、
「まあ、待て。まだ使えるから持っていろ」
と言って止めた。
恐ろしいよ、ニア、アンタ恐ろしい子だよ!
「ニアは、『発信機は、デスノートについている』と『キラ』に言ったはずだ。うまく利用すれば、三国会もまだ使える」
ああ、神様。平凡な私の日常はどこへ行ったのでしょう。
『呼んだか?』
死神のほうじゃありません。
あとがき
説明しきれてないところもいっぱいありそう...