Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第25章 僕らの一等賞
余程運動会が嫌なのか、”お腹が痛い”だの”頭が痛い”だの理由を付けては、リビングでゴロゴロする和の尻を叩き、何とか体操服に着替えさせると、大荷物を抱えて和と一緒に玄関を出た。
「パパも一緒に行くの?」
自転車の荷台に荷物を乗せる俺を、和が見上げる。
「うん。場所取りもあるから、今日は一緒に行くよ」
「ホント? やったぁ! あ、でも僕の乗る場所ないけど…」
って…、もしかして自転車に乗ってくつもりか?
いやいや、それはダメでしょ(;^_^A
「歩いて行くの。パパも自転車は引いてくだけだから。ほら、早くいかないと、イイ場所なくなっちゃうよ」
運動会の場所取りは、壮絶なバトルだ、って先輩ママに聞いちゃったからね(^_^;)
「チッ…、楽できると思ったのになぁ…」
か、和…、今舌打ちした?Σ(⊙ω⊙)
噓だろ~、なんかちょっとショックなんだけど…(>_<)
…って、ショック受けてる場合じゃない。
「和、急ぐぞ!」
俺はブルンと頭を一振りすると、自転車のハンドルを握った。
ダラダラと歩く和を気にしながら、自転車を引いて漸く学校に着いた頃には、校庭にはもういくつかシートが敷かれていて…
門の所で和を見送り、自転車置き場に自転車を停めた俺は、大荷物を両手に、校庭へと向かった。
和は確か白組だったから、朝礼台から向かって右側になるのか…
俺は適当に空いたスペースを見つけて、そこにシートを広げた。
周りを木で囲まれてるから、丁度日陰になっていて、絶好の場所かもしれない。
シートの上に折り畳みの椅子を広げて座った俺は、ポケットからスマホを取り出した。
さっきからずっと震えてたのが気になってたんだ。