Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第21章 なまリク♡vol.4 うさこさまリクエスト
翔side
「サトくん、アッチで一緒に写真撮らない?」
僕は最近買って貰ったばかりの“スマタ“を手に、サトくんに声をかけた。
でもサトくんは、松岡のおじさんが持って来た釣り道具に“興味珍々”で、僕の話なんて聞いてくれない。
カズくんだって、ゲームしてるしさ…
大体さ、BBQするのにゲームを持ってくるなんて、おかしいでしょ?
残るは…ジュンくんだけど…
ジュンくんと一緒に写真撮ると、僕の顔目立たなくなっちゃうんだよな…
う〜ん、どうしよう…
「ねぇ、ショウくん。探検行かない?」
悩める僕に声を掛けてきたのは、ジュンくんだった。
「探検、ってどこへ?」
「アッチの山」
「えっ、でも山には入っちゃいけないって、松岡のおじさんが…」
帰って来れなくなっちゃうって…
「大丈夫だよ。ちょっとだけだから。ね、行こ?」
僕はジュンくんの誘いに乗ることにした。
だって皆僕と一緒に写真撮ってくれないんだもん…
それに、ちょっとくらいは大丈夫だよね。
僕とジュンくんは、川の上流へと向かって山を登り始めた。
細い小径を、草や気の根っこを掻き分けて、どんどん進んで行く。
山の中には、見たこともないような花がアチコチに咲いていて、僕はそれを摘んではポケットに入れた。
サトくんへのお土産にしようと思って…
でも、奥へ進むうちに、段々暗くなってきて…
そうなると、ちょっとだけ怖くなってきて…
「そろそろ戻ろうよ?」
皆心配してるといけないし…
「うん。そうだね」
僕とジュンくんは今来た道を、下へと戻って行った…つもりだった。
「ねぇ、こんな道、さっき通ったっけ?」
ジュンくんがピタリと足を止めた。