Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第17章 恋のまじないABC♡
「ちゃんと訂正しておいたから」
は?
訂正、って何を…?
僕はポケットの中から、クシャッと丸めた紙を取り出すと、街灯の下で広げた。
そこには、さっきは気付かなかったけど、確かに小さな青い文字で”櫻井翔”って右側に書いてあって、左側には”大野智”の赤い文字が書いてあった。
「あ、あの…、僕、意味わかんないんですけど…」
「いや、だからさ…」
ひたすら動揺しまくる僕を見て、櫻井君の、少し撫でた方が小刻みに揺れる。
「ちゃんと正しい方法でやんないと、叶うもんも叶わないでしょ? だから俺が訂正しておいた、って言ってんの。分かる?」
いや…、全然分かんないよ…
僕は首を、捥げるんじゃないかってぐらい、ブルンブルンと横に振った。
「だーかーらー、俺が訂正しておいたおかげで、君の恋は成就したって言ってんの。つか、これでも分かんない?」
頭の中の?マークと格闘を続ける僕に向かって櫻井君の顔が徐々に近付いてきた…と思ったら、チュッと僕のほっぺに触れた柔らかい物体。
もしかしてだけど、今のって…
「あ、あのさ…、今のもう一回してくんない?」
「いいよ、君が分かるまで何回でもしてあげる」
今度は僕の唇に触れた柔らかい物体…
「夢…、じゃないよね?」
もしこれが夢なら、僕はもうとっくに飛び起きている筈だ。