Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第17章 恋のまじないABC♡
「夢じゃないってば。もう、分かんないかなぁ…。俺も君のことが好きだ、って言ってんの。もう、最後まで言わせないでよ、恥ずいんだからさ」
櫻井君が頭をポリポリと掻いた。
櫻井君が僕のことを?
好きって言った?
嘘でしょ?
冗談なんでしょ?
「あの…、もう一回言ってくれる? 僕、ちょっと信じられなくて…」
そうだ、きっと僕は揶揄われてるんだ。
そうに決まってる。
だって櫻井君が僕のこと好きだななんて…
信じらんないもん…
「ねぇ、君ってもしかして相当な鈍感? 普通キスまでしたら信じるでしょ…? ちゃんと”好きだ”って言ってるし…」
そうだよね…
嘘や冗談でキスなんて…出来っこないよね…?
ましてや僕達、男の子同士だし…
「ごめん、今信じた…」
僕の目の前で、櫻井君がプッと吹き出す。
そして僕の肩に腕を回して、僕を引き寄せると、今度は額に櫻井君の唇が触れた。
「君ってホント、面白いよね? それに…可愛い」
僕が…可愛い?
やっぱり僕、揶揄われてんの?
それならそれでもいいや。
「ま、何はともあれ、宜しくね? 智君?」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。翔…君」
僕は差し出された翔君の右手を、汗ばんだ手で握った。
「祈願達成、だね?」
「なんだか分かんないけど、そのようで…」
僕達は街灯の下でもう一度キスをした。
ねぇ、これってやっぱり僕のおまじないが通じた、ってこと?
そうだよね?
うん、きっとそうだ。
さぁて、次はどんなおまじないにしようかな?
好きな人とデート出来るおまじない、なんていいかもね♪
おわり♡