第17章 恋のまじないABC♡

そんなある日、僕は女子たちが“おまじない”の話で盛り上がってるのを、寝た振りをしながら聞いていた。

おまじないなんて、効きゃしないよ…

そう思いながらも、僕は女子たちが話ていたおまじないを試してみることにした。



僕はノートの白いページを一枚破くと、そこに大きな相合傘を書いた。

｢確か、青いペンで自分の名前を書いて…、で、赤いペンで相手の名前を書くんだったよな？｣

僕は紙に書いた大きな相合傘の左側に、青いペンで自分の名前…
右側に赤いペンで櫻井くんの名前を書いた。

そしてその紙を綺麗に折りたたむと、英語の辞書の“LOVE”のページに挟み込んだ。

｢出来た、と…。つか、こんなんで本当に叶うんだろうか？｣

我ながら馬鹿げたことをしてると思う。

女々しいことしてるな、って思う。

でも好きなんだもん、櫻井くんのことが…

振り向いて欲しいんだもん…櫻井くんに…

それってさ、悪いこと？

男の子が男の子を好きになるって、許されないこと？

そんなことないよね？

人を好きになる気持ちに、性別なんて関係ないよね？



僕、櫻井くんのこと、好きでいていいんだよね？



僕の想い、櫻井くんに届くといいな…