Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第15章 君のために僕が出来ること
「リーダー先選びなよ」
僕が狙っていたケーキが翔君に食べられちゃったこと、相葉ちゃんは気付いてるんだよね?
でもさ…、
「いいから相葉ちゃんが先に選んで?」
僕は箱を相葉ちゃんの方へと押し戻した。
「んじゃあねぇ…、コレかな」
「あ、やっぱり? 相葉ちゃん、絶対好きだろうなって思ってたんだ」
「マジで? 嬉しいなぁ…」
そう言って、相葉ちゃんがチョコケーキにかぶりつく。
「ぅんまい! この濃厚さ、堪んないね」
いつもの相葉ちゃんの笑顔…
でもそれは一瞬のことで…
「つかさぁ貴族はこんな食べ方しないよね? やっぱ俺、貴族様なんて柄じゃないよね…」
相葉ちゃんの顔がどんどん曇って行く。
「ねぇ、相葉ちゃん? 無理しなくてもいいんじゃない? 相葉ちゃんは相葉ちゃんなんだからさ。確かに貴族らしくはないけどさ、相葉ちゃんが思うように演じれば、それでいいんじゃないかな?」
「そ、そうですよ。私ら、大体が庶民なんですからね?」
「そうだよ。周りの言うことなんか気にすんな。お前はお前らしくやりゃいいんだよ」
皆それぞれにケーキを頬張る。
でも松潤は…
ケーキに手を伸ばすことなく、ずっと黙ったままで…
「松潤も一緒に食べよ?」