Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第15章 君のために僕が出来ること
箱の中のケーキは5つ。
「ねぇ、皆も食べない? 疲れてる時は甘いものが一番だよ?」
僕はピクリとも動かなくなってしまった三人に向かって、ケーキの入った箱を見せた。
「ニノ、コーヒー煎れてくれる?」
最初に動いたのは翔君だ。
僕の隣に座って、箱の中のケーキを物色し始めた。
「私は一番小さいのでいいですから」
ニノはそう言うと、コーヒーサーバーの前に立ち、人数分の紙コップを並べ始めた。
「俺も手伝うよ」
松潤がボソッと言って、ニノの隣に立ち、コーヒーを注いだ紙コップを、テーブルの上に並べて行く。
「で、これどうやって食べんですか? 皿もフォークもありませんけど?」
漸く人数分のコーヒーを煎れ終え、相葉ちゃんの隣に座ったニノが、両腕を組んで首を傾げた。
しまった…
そんなこと全然頭になかった…
僕、スイーツ男子失格だ…
「男らしくガッつけばいんじゃね?」
翔君が箱の中からケーキを一つ掴む。
あ、それ僕が狙ってたやつ…
思った時にはもう遅かった。
「うんめぇ~」
僕が一番食べたかったケーキは、翔君の口の中で…
あ~あ、とガックリ肩を落としながらも、美味しそうに食べてくれるのが嬉しくて…
「相葉ちゃんはどれにする?」
僕は相葉ちゃんの前にケーキの箱を向けた。